ユナイテッドアローズ(UA)は企業イメージ刷新と次世代顧客獲得に向けたキャンペーン第2弾を始める。90年生まれの現代アーティスト、森本啓太さんと00年生まれの歌舞伎役者、片岡千之助さんを起用した新ビジュアルを2月27日から公開する。
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20代客の認知を広げる狙い。「光」をテーマに夜の自動販売機のそばにたたずむ若者の姿を森本さんが描いた。作品に登場する片岡さんはUAの各業態の服を着用している。
片岡さんが歌舞伎衣装とUAの服を着た画像やショート動画も作成。ユーチューブやインスタグラム、特設サイトなどでこれらのビジュアルを公開する。3月からは東京都内の駅壁面や大阪、名古屋、福岡、札幌の駅周辺のデジタルサイネージでも公開する。
24年10月に第1弾を実施した。俳優の中条あやみさん、音楽家の原口沙輔さん、着せ替え人形「リカちゃん」などが登場する動画を公開。「若い世代の間でイメージを上げるきっかけになった」との手応えを得ており、3回目も計画する。
洗練の魅了も混沌の楽しさも伝えたい
松本真哉執行役員CCO(チーフクリエイティブオフィサー)
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創業から35年が経ち、UAの主力業態はトラッドでコンサバなテイストというイメージが固定してしまっている。時間の経過とともに、この状況がリスクになる可能性は否定できない。
新しいファッションは若い世代が生み出す。若いお客様が支持する店だから、大人客も買ってくれる。そのサイクルがこのままでは維持できない懸念もあり、キャンペーンを始めた。
品の良さよりはやんちゃさを見せたい。整頓された洗練以外に、わくわくするような混沌(こんとん)の楽しさも当社の品揃えなら提供できる。森本さんが描く風景の中にウチの服を着た片岡さんがたたずむビジュアルで、大人はもちろん、若いお客様が着ても素敵な服があると少しでも伝わればと思う。
企業として若返らなきゃという危機感は当然あるし、若いお客様の認知も得たい。だが、何よりもこのキャンペーンが年齢を問わず、どんなお客様の要望にも応えられる多面性が当社にはあることを広く知ってもらうきっかけになればと考えている。