ヨーロッパブランドの販売2(坪内隆夫)

2014/12/18 13:48 更新


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前回の続きです。

実際のヨーロッパでの販売ですが、日本とはかなり仕事のやり方もスケジュールも違います。ファッションが重要な都市では、ファッションウィークがしっかりと確立されていて、メンズもレディースもこの時期にファッションショー、トレードショーが開催され、その国のすべてのコレクションを見る事が出来ます。

特にショールームの強いミラノでは、ファッションウィークを前後にセールスキャンペーンがあり、ショールームはかなり長い期間開いています。

 


ANTONIO MARRASのショールームで行われたAW2014 MENS ANTONIO MARRASのショー。会場に入ると右にも左にもたくさんのサルトがミシンを踏んでいました。AW2014 のショーは生地屋でサルトだったANTONIO MARRASの父に捧げられました


ショールームですが、さすがインテリアの国でもあるイタリアのショールームは、とても広くそれぞれのブランドの個性が出ます。

ここイタリアではどこかの国のようにたくさんミーティングはありません。みんなが集まるようなミーティングは1シーズンでも一度か二度、それもざっと話をして質問を受けて終わり、って言うのが多いので、すべて販売担当者自身で考えて動く事を要求されます。

ただ、日本のようにミーティングという改まった機会を作ってみんなで話をするのではなく、仕事の最中に気付いた事はその場で話をしあっています。

セールスキャンペーン中にはあまりうるさくは言われませんが、キャンペーンが終わった後にしっかりと成績で評価されます。ちゃんと結果を出していないと担当から外されたり、他のエージェントに変えさせられたり、結構厳しいです。

 


ANTONIO MARRASのショールームの横にある彼のお店


ショーが終わった後、お店でのセールスミーティングの休憩中。ちゃんとワインも出てきます。この辺は日本のミーティングと雰囲気が違います。しかし、ちゃんと成績を残さない場合は厳しく評価されます。というよりも販売イクオールコミッションなので、販売しないとお金は一切入ってきません

ミーティング中に出てきたANTONIO MARRASの出身地で現在でも活動しているサルデーニャ島のお菓子。
これまでおしゃれです

 

今でこそ昔ほどの勢いはありませんが、ミラノにいると世界各国のバイヤー、ジャーナリストが集まってくるので、小さくても自然に世界のマーケットをターゲットにしたブランドになってしまいます。よって、規模に関係なくエージェントがたくさんいるブランドも多いです。

中堅のブランドであっても、イタリアの中だけで、北西イタリア、北東イタリア、中部イタリア、南部イタリアと4つのエージェントを持っていたりします。 

それぞれのエージェントにコレクションを渡さないと行けない場合もあるので、かなり経費もかかります。

例えば、私がお手伝いしているミラノのショールームはイタリア国内には一切販売せず、アジア、ロシア市場に強いのですが、こういった場合、ショールームで取り扱っている多くのイタリアのブランドはミラノに2つショールームがあり、一つはイタリア国内、もう一つはうちのショールームの様な、海外のマーケットを専門としたショールームに販売の委託をしたりしています。

その他に、ドイツ、アメリカ、ベネルクス、アジア.....という風に世界各地のエージェントもしくはディストリビューターにも販売をゆだねている所が多いです。

 


ANTONIO MARRASのセカンドラインISOLA MARRASのショー


ANTONIO MARRASメインブランドのショー


私は日本のブランドの販売のお手伝いもしていますが、日本ではエージェントに販売を委託するという事があまり無いので、エージェントに対する理解が少ないように思います。

こちらでは先ず販売はエージェントに任せる、というやり方が一般的なので、エージェントのコミッションをちゃんと考えて値段を出してありますが、日本は一般的に同じ会社の中に営業が入るので、外部のエージェントへの営業経費(コミッション)を別に出すという事が良く理解できないようで、無駄なお金と考えられるケースが多い様です。

ただ、エージェントであるという事は、その担当している地域のお店の様子も良く知っていますし、お店との人間関係がちゃんと出来ているので、スムーズに事が運びやすいのはメリットです。

実際に日本のブランドの販売では、私がお金の回収までしているのですが、日本のように支払い指定日にちゃんと支払ってくるお店なんてほとんどありませんから。

しかし、支払い指定日に入金が無いお店のオーダーをすべてキャンセルしていると、最終的にほとんどのオーダーがなくなってしまいます。そんな中お金をちゃんと支払ってくれるお店かどうか見極められたり、少し遅くなってもちゃんと支払いさせたりするのは人間関係が出来ていたり、海外のバイヤーとの駆け引きが出来るという事がエージェントを使うメリットだと思います。

色々面倒な部分も多いですが、ヨーロッパでは日本のようにたくさんのお店を持っているチェーン店というのが少ない分、お店はオーナー(バイヤー)の個性がかなりでるので、一緒に仕事をしていてとても楽しいですね。




坪内隆夫 つぼうちたかお 東京モード学園デザイン学部卒業後渡英、1年後に渡伊。デザイナーとして活動をはじめ、ミラノにてオーダーショプ「TAKAO MILANO」をオープン。2004年2月から2007年9月まで年に2度、ミラノ市の協賛を得て、ミラノファッションウィーク開催中に新人デザイナーを中心とした展示会UPSIDE MILANOを主催。その後、ミラノのショールーム、ファッションガイドブックへのコンサルタントを行い、2012年1月のPITTI UOMOから日本のメンズブランドのヨーロッパでのセールスプロモートをするプロジェクトJAY PROJECTを開始する。

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