久しぶりの投稿です。
10月23日から25日まで、渋谷ヒカリエで行われた纎研新聞社主催の合同展示会、PLUG IN内で、ミラノのバックの展示会MIPELとアパレルの展示会THE ONE MILANOがコーナーを設け合同で展示会を行いました。そのコンサルタントとして2つの展示会のオーガナイズを担当させていただきました。
今回の展示会は、受注だけでなく、日本のバイヤーの皆さんにイタリアの皮革及びアパレル産業についてもっと知ってもらう事も大きな目的でした。今年のミペルの2月展からテーマになっている「サステイナビリティ」が大きな主題として掲げられました。
あまり知られていませんが、イタリアのファッション業界は世界で最もサステイナビリティの進んでいる国の一つです。私も仕事でイタリアの工場に行く機会がありますが、自社の太陽光発電で電力を賄っている工場もいくつかありました。
また、CAMERA NAZIONALE DELLA MODA ITALIANA(CNMI = イタリアファッション協会)は年に一度、GREEN CARPET AWARDをミラノで開催し、この分野で貢献した企業、デザイナーなどを表彰しています。CNMIでは2010年からこの分野をとても重要な項目のひとつとして力を入れています。
展示会ではバイヤーやプレスに向け、サステイナビリティの専門家による商品説明があり、それぞれのブランドのサステイナビリティへの取り組みなどが紹介されました。例えば、日本の島精機製作所とイタリアの糸メーカーとの取り組みでできた磁石のボール。ニット製品の洗浄時にこれを入れることで、石鹸がいらず、これまでの1/3の量の水で製品を洗うことができる代物です。仕上がりも柔軟剤を入れずに柔らかく仕上げることができます。
バックのブランドBOLDRINIは、化学染料を使わず自然に優しいベジタブルタンニンされた革のみを使用した製品を作っています。ブース内では「イタリアンインダストリーのサステイナビリティ」と題し、MIPELの会長、THE ONE MILANOのCEO、 MIPELのコンサルタントもしているトレンドコンサルタント、FORBES JAPANウェブ編集長によるレクチャーも行われ、日本やイタリアでの現状や取り組みなどが紹介されました。
今後サステイナビリティはファッションインダストリーにおいてとても重要な項目になってきます。今回のMIPELとTHE ONE MILANOとの日本での合同展示会を通じて、少しでも日本にもこの流れがおこれば、と思っています。
坪内隆夫 つぼうちたかお 東京モード学園デザイン学部卒業後渡英、1年後に渡伊。デザイナーとして活動をはじめ、ミラノにてオーダーショプ「TAKAO MILANO」をオープン。04年2月から07年9月まで年に2度、ミラノ市の協賛を得て、ミラノファッションウィーク開催中に新人デザイナーを中心とした展示会UPSIDE MILANOを主催。その後、ミラノのショールーム、ファッションガイドブックへのコンサルタントを行い、12年1月のPITTI UOMOから日本のメンズブランドのヨーロッパでのセールスプロモートをするプロジェクトJAY PROJECTを開始する