TSIホールディングス、3年ぶりに品質情報展を開催

2023/02/01 06:28 更新


〝グリーンウォッシュ〟などへの関心も高い

 TSIホールディングスは、3年ぶりとなる「品質情報展」を本社で開いた。品質管理にまつわる注意点を社内に啓発するのが主目的だが、ここ数年、関心が高まる人権や環境などSDGs(持続可能な開発目標)関連にも広くスペースを割いた。生産段階でB品の発生を抑えるとともに、発生したB品も再利用するなど、商流全体で無駄を減らす活動の大切さを社内に伝えた。

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 同展はサンエー・インターナショナル時代の98年から始めた。近年は年2回開いていたが、19年を最後に途絶えていた。本社移転に伴い、事業部も1カ所に集約されたことなどから再開。実物やパネル展示などで分かりやすいようにした。

 社内の品質管理が担当で、物性面が主となるが、社会的要請が強まるサステイナビリティー(持続可能性)やCSR(企業の社会的責任)などのテーマも増やした。注意を怠るとサプライチェーン全体にも影響を及ぼす危険性があるためだ。

 昨年1月には、人権意識の高い欧州にある子会社、マーガレット・ハウエルのガイドラインを参考に新しい取引先行動規範を策定。国内外の取引先に対して説明会を多数回開き、対象の約1500社(国内)に確認書を送付、回収を急いでいる。多くの社員は見ることがない、実際の確認書も会場に置いた。

 B品廃棄をゼロにする取り組みも紹介。20年2月期に小売価格で8億8000万円あったB品の入荷は、22年2月期には5億8000万円(見込み)にまで減り、廃棄も同じ時期で5億9000万円から7000万円(同)にまで激減したという。B品は品川の物流センターで単品管理し、汚れなどはあるが着用可能なものなどはウェブの社員販売などで消化。着用不可能なものは繊維育英会(大阪)との協業でリサイクルボードにするなど廃棄を減らしている。

 「品質管理業務は製品化の後になるが、前もって上流から意識すればB品の発生を避けられる」と瀬戸浩TSI・SCM推進部品質管理課長。次回は社員が利用する「アース・カフェ」もある1階で開催し、より多くの社員の関心を高められるのではと期待している。

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