TSIホールディングスは、初となるユニバーサルデザインのウェアを本社で披露した。WITH ALSの代表理事の武藤将胤氏とロボット開発者の吉藤オリィ氏との共同プロジェクトで、武藤氏が主宰する11月のALS(筋萎縮性側索硬化症)啓発イベントでお広めする。下地毅社長は、「人の気持ちを前向きにするのがファッションの力。社会課題の解決につなげられれば」と話した。身体の拡張にファッションが果たす役割にも言及していた。
【関連記事】TSIホールディングス、収益構造改革の進捗を公表 「メクル」「シャロル」は休止
視線入力で動く人工ロボットアームと一緒に着用できるウェアの開発がお題。「ムーブウェア」と名付け、コートとパンツを製作した。コートはトレンチ風で、パーツごとに簡易に取り外せるようにし、ライダーズジャケットのようにもなる。コートやパンツに配されたプリントやパイピングは夜間視認性が高い再帰性反射のものだが、白ではなくオーロラ色に。
ユニバーサルデザインは無味の物が多いが、「機能は必要だが、刺激的で外出したくなるような意匠にした」(下地社長)と言う。「車いすごと着る服」と言う新しい提案だが、機能面では介助者にも配慮したつくりにした。11月24日に東京・渋谷で開催される「ムーブフェス」で武藤氏が着用する。
「身体拡張にとって大切なのは自分がそう感じられるか」と吉藤氏。そこにファッションの果たす役割があると言う。商用化の時期は未定だが、「(取り組みは)野心的。ビジネスとしての一歩と考えている」(下地社長)と言う。