TSIホールディングス 洋服を売るために。アバターが救う創造性

2023/01/16 07:59 更新有料会員限定


リアルの成長は限界

 22年12月15日、TSIホールディングスでDX(デジタルトランスフォーメーション)を担当する上席執行役員の今泉純さんは、協働先のアリババクラウド及びJPゲームスの幹部と記者会見し、メタバース(インターネット上の仮想空間)に関する共同事業の可能性とその進捗(しんちょく)を報告した。

 共同プロジェクトのPOC(概念実証)を今月末に終え、23年度内に公開するという中身だ。今泉さんは「サステイナビリティー(持続可能性)の観点からも、リアルな経済活動には限界がある。今後成長が期待できるのは仮想空間」と、事業の意義を説き、同社の服を着た3Dアバターが奥行きのある空間でスムーズに動く様子を見せた。

 ユーザーが自らのアバターを持って仮想空間のコミュニティーで楽しむことを通じ、ブランドロイヤルティーを高める狙い。中期経営計画で掲げる〝ファッションエンターテインメント創業企業〟への再生にもかなう。第1弾はゴルフ分野。「実際のコースの下見にアバターみんなで行って、当社の契約プロが攻略法を指南するとか」。アイデアは広がる。デジタルファッションやNFT(非代替性トークン)の販売も視野に、新市場での成長図も描く。

「売れる」呪縛解く

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