外与が服地卸ロンシャンのプリント生地のアーカイブを揃えた「ロンシャン・オールドコレクション」を編集した。「アマゾン・ウェブサービス」を活用して、ネット上でアーカイブを集積したもので、2万点以上の画像をピックアップ。時代や地域、柄の属性など区分に応じて品番を設定し、利便性を高めている。
(稲田拓志)
有効活用を提案
同社は「アーカイブを整理、編集することはファッションビジネス業界における意義が大きい」と見ている。このためアパレルメーカーやライフスタイル企業に対して、有効活用を提案する。
ロンシャン・オールドコレクションは、1年半かけて編集した。ロンシャンが長年にわたって集めた生地見本やプリントデザインのアーカイブ500冊以上から100冊強を選び、4万点の写真を撮影。その中から2万1673点の画像を厳選して、ネット上でコレクション化した。
全てがロンシャンが得意としてきたプリントで、最も古いのは1800年代終わりのコレクション。これらを時代や地域などに区分けして整理している。ロンシャンが開発したプリント生地だけでなく、ロンシャンが世界各地から集めたプリント生地も含まれており、柄の属性によって検索することも可能だ。例えばペーズリー柄だけで1200点を揃える膨大なコレクションとなっている。
外部企業に販売も
コレクションの活用方法は現在、検討しているが、外与が自社の製品OEM(相手先ブランドによる生産)事業で使用することや、希望する外部の企業にデザイン、柄として販売することも想定している。編集を終えたばかりで本格的な発信は今後の課題となるが、「雑貨や寝装・インテリア企業の関心が高い」。また、アパレル分野についても「最近はプリント人気が高まっており、引き合いがあるのではないか」と期待をかけている。