クリエイションの強さを持った東京ブランドが、輸出を伸ばしている。海外バイヤーの日本のファッションカルチャーに対する関心は強く、「サカイ」「アンダーカバー」などの有力ブランドの次を探し求める傾向にある。コロナ禍でもオンライン商談を通じて新規の受注を得て、さらに実績を伸ばすブランドも出てきた。
(須田渉美)
輸出を伸ばすブランドの一例は、この2シーズン、単独のショーを行っている「テンダーパーソン」だ。デザイナーのヤシゲユウトとビアンカはともに20代後半。ファイアモチーフなどエネルギーにあふれたグラフィック柄を強みに、様々なスタイルをミックスしたメンズ、レディスウェアを手掛ける。自由なムードで主張を感じさせ、個性あるファッションを好む若い客層の支持は高い。
前シーズンから海外セールスのsouショールームに営業を依頼すると、初回からオンライン商談でロサンゼルスの「H.ロレンツォ」や香港の「I.T」など3件の取引が決まった。その消化率も高かったことから、22年秋冬向けの受注も伸びた。H.ロレンツォはアーティストの衣装としての購入も多いが、「海外の顧客にやりたいことが伝わるグラフィックの強さがある。無名でも個性が明確なブランドは評価されやすい」とsouショールームの大屋ジャスティンさん。第一にSNSなどで見映えのするデザインを求め、一定の品質が備わっていれば着心地に強いこだわりはないという。
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