東京のメンズブランド22年春夏 量感と丈のバランスがポイント

2021/08/17 06:29 更新会員限定


 メンズを軸とした若手の東京ブランドの22年春夏は、量感や丈のバランスがポイントになる。20代、30代のデザイナーの多くは性差をあまり意識しない。男女の服を共用することよって新しいサイズ感を見出し、男性は女性らしいディテールや素材を純粋に楽しんでいる印象だ。過去のスタイルの応用には柔らかな感性が反映され、モダンな魅力を作り上げている。

(須田渉美)

軽やかな線で見せる

 「シュタイン」(浅川喜一朗)は、糸の使い方とシルエットの加減で「感覚的な重さ」を多彩に表現した。「10年、20年の生き方を感じさせる言葉の重みがあるように、光沢の深さや縫製の違いで伝わる強さを大事にしたい」と浅川。それが顕著に出ているのはアウターだ。コートやブルゾンには、カツラギではなく、80番双糸の緻密(ちみつ)なツイルを使い、軽やかな線で見せる。ラグランスリーブのステンカラーコートは、袖が袖口に向かって若干開いてマントのようなシルエットを描く。重心をずらすように着丈を調節し、男性の太ももの中間に掛かるぐらいが「今の気分」という。M-65の形をもとにしたリバーシブルの中わたジャケットはちょっと長めの着丈だ。余計な付属をそぎ落とし、ドロップショルダーに前振り袖を付け、ふっくらとしたフォルムを浮き立たせる。ユニフォームの強さと、心地良い緩やかさが調和している。

シュタイン

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