東京ブランド17年春夏 企画変えて幅広い層へ

2016/09/22 05:31 更新


 東京のデザイナーブランドで、展示会を前倒しする傾向が広がっている。「ディウカ」(田中崇順、松本志行)、「インプロセス」(スティーブン・ホール、大原由梨花)も、17年春夏から展示会を前倒しし、8月下旬に商品を披露した。両ブランドとも従来よりも幅広い層にアピールするため、コレクション内容を変化させている。

 ●ダークトーンで見せる重厚なスタイルを得意としてきたディウカが、ぐっと軽くなった。「うちらしくないと避けてきたことに取り組んだ」(田中)コレクションだ。アイコンであるドレープドレスも、苦手な色だというパステルトーンを取り入れたことで、随分と表情が柔らかくなった。ストライプ柄のポンチを使ったシリーズは、パターンの変化で目の錯覚のようなジオメトリックな効果を生む。デニムのアイテムやシャツなど、エントリー品も増やした。国内展の後、パリ、上海でも展示会を開く。「海外展のあとに国内展をやっていては生産期間が短くなってしまう」というのが、展示会を前倒しした理由の一つだ。

ディウカ
「ディウカ」ドレス4万円


 ●インプロセスは、ユニークなプリント柄やテキスタイルへのこだわりを継続しつつ、大人女性のリアルな生活シーンに沿ったブランドへと変革中だ。営業コンサルタントと契約し、MDを意識したもの作りを進めている。ニューヨーク、パリでの展示会をスタートしたこともあって、6年半継続してきた東京コレクションでのショーもいったん休止した。オフィスシーンにも対応できる軽い羽織りコートやセットアップといったベーシックアイテムは、オリジナルのエスニックプリントで差別化する。カットジャカードとレースを組み合わせたボリュームトップや、深いスリットのラップスカートなどは、より遊びのあるデザインだ。

インプロセス画像
「インプロセス」トップ3万円、パンツ3万6000円

 



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