トウキョウベース、来春以降新業態

2017/02/27 06:20 更新


 セレクトショップを展開するトウキョウベース(東京、谷正人社長兼CEO=最高経営責任者)は来期(18年2月期)中に新業態を開発、客層を拡大する。「東京カジュアル」をコンセプトに、きれいなカジュアルスタイルを好む層を狙う。

 新業態はまだ明確には固まっていないが、国内デザイナーブランドをセレクトする「ステュディオス」、SPA(製造小売業)型モードスタイル「ユナイテッドトウキョウ」(UT)とは異なり、自主企画で「フレンチカジュアルのような、きれいで都会的なイメージ」(谷正人社長)を目指す。

 国内市場はデイリー使いの低価格SPAブランドの割合が高まっているが、同社が昨年開発したUTはモード系ファッションを好む30~40代の男女を取り込んで、2年でブランド売上高20億円に届きそうな勢い。ただ、対象客層は狭いため、第3、第4の新業態を積極的に開発し、「会社全体であらゆる客層を取り込む戦略」を進める。

 新業態の開発に必要な人材が多数集まってきたのも追い風。UTの原価率50%の物作りを見て、「デザイナーや企画が作りたい商品を作れるとして、応募が増えている」という。

■通期業績を上方修正

 トウキョウベースの第3四半期(16年3~11月)は、UT事業、ECがけん引し、売上高は前年同期比53%増、営業利益111%の大幅増。通期予想も大幅に上方修正した。

 今上期(16年3~9月)と同様に、UT事業が150%増、EC(全ブランド含む)160%増と引っ張っている。UTはモードな着こなしに合う、きれいなアイテムを国内生産する。まだ10店以下のため認知度は低いが、原価率50%の物作りが評価されている。

 ただ、全体の商品生産・仕入れ量は大きく変えてはおらず、追加可能な商品以外は在庫を多く積まず、プロパーで販売することを徹底。本部から販売スタッフまでプロパー販売重視の評価制度を作ったのも効果を上げている。粗利益率は上期より上昇し、53・4%と2・4ポイント(上期は2・1ポイント)向上した。

 通期(17年2月期)予想は、売上高91億5400万円(期初計画約80億円)、営業利益11億9000万円(同9億円)に上方修正した。



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