「ザ・ノース・フェイス」のキッズ事業が5年で2.6倍規模に 「出島」戦略実る

2022/05/24 06:28 更新


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高成長が続く「ザ・ノース・フェイスキッズ」(原宿・キャットストリート沿いにある路面店)

 ゴールドウインが製造・販売する「ザ・ノース・フェイス」(TNF)のキッズ事業が、拡大を続けている。同社ではここ数年、キッズ単独の期間限定売り場を構え、売り場の常設化や大型化を積極的に推進。さらに、アウトドアの知見を生かした独自性の高い製品がヒットするとともに、ギフト需要の大きいベビー製品の品揃えを充実したことなどが奏功した。

(杉江潤平)

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 21年度(22年3月期)のTNFのキッズ事業の売り上げは、コロナ禍にもかかわらず前期比25%増となった。ここ数年、20~30%増の伸びを持続しており、この5年でキッズ売り上げは約2.6倍に増えた。

 増収要因の一つは、キッズ単独の期間限定店を「出島」のように積極的に出店したことだ。それまで「直営店内でのキッズのシェアは5~6%程度」(事業本部ザ・ノース・フェイス事業一部エキスパートの畑野健一氏)しかなく、1シーズン当たりアパレルだけでも100~120品番ある製品の半分も展開できていなかった。そこで既存・新規の取引先を問わず、キッズ製品だけで売り場を構築した期間限定店を出店。1~2週間の長さで全国を巡回すると、キッズ製品の量の多さに驚かれ、売り上げも上々だった。

 同社ではその結果をもとに商談を重ね、既存取引先ならキッズ売り場の大型化、新規ならキッズ売り場の常設化を推進。また、ポップアップを展開することで認知度も高まり、直営店内でのキッズ品の売り上げも上昇した。

 もう一つの要因は、アウトドアメーカーらしい高機能品がヒットしたことだ。抱っこひもやベビーカーに装着できる「ベビーシェルブランケット」はその代表格で、保温性とイージーケア性、携帯性に優れ、21年度は前年の4.5倍の数量を確保し、完売させた。

 ベビーカテゴリーを強化した点も、増収に寄与する。ベビー用品は安定的にギフト需要が見込めることから、商品バリエーションの拡充を判断。以前はTシャツやロンパース程度の取り扱いしかなかったが、オーバーオールやスタイ、タオルなど展開アイテムを広げ、販売数量を増やした。

 こうした諸策を継続した結果、取り扱い店舗が増え、キッズ事業が拡大。卸先の増加とともにキッズアイテムの認知も広がり、品揃えが充実する直営店での販売数も増え、同事業の自主管理売上高比率は、大人服より高い65%を維持している。

 今後は、子供が安全・快適に自然と触れ合える機会の提供に力を入れつつ、売り場の拡張・刷新に取り組む。TNFでは14年から、日帰りトレッキングを中心としたフィールドイベント「キッズネイチャースクール」を実施してきた。コロナ禍でこの2年は十分に開催できなかったが、今期はあらかじめオフラインの企画も準備し、イベント自体の認知を再度高める。

 販売面では新規出店の予定はないが、既存取引先売り場の大型化を進める。さらに、大人向けアパレルを揃えたキッズ主体の複合店舗も増やす。


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