■東西のロリータ モードの都パリでの出会い
フランスにパリという都がありました。ここは「モードの都」と呼ばれ、お洋服やアクセサリーやランジェリーなどワクワクするものが発表され、それを注文しにいろんな国からバイヤーと呼ばれる職業の人たちが沢山やってきました。街並もとてもきれいなので、お買い物と観光を楽しみに旅行客も山ほど来ます。
シャンゼリゼという有名な大通りには、ファンシーなマカロンを売るラデュレというお店があって、ロマンチックなティータイムを味わいたいツーリストたちで連日長蛇の列。「いつになったらマカロンを食べられるのかしら?」とつぶやきが聞こえてくる行列なんか知らんふり、顔パスでサロン・ド・テにアクセスしちゃう女の子たちがいます。
サービスのギャルソンさんたちは、「ボンジュール、マドモアゼル」と笑顔で応対。この女の子たちはみな、なぜか巻き髪で、ふわっとしたケーキのように甘いピンクのドレスを着ています。これを見て驚く観光客たち。「このお洋服は?」と尋ねると、マドモアゼルたちは、「BSSBという日本ブランドのドレスなの。ロリータファッションっていいうのよ」と答え、シャンパンとマカロンやプチフールでお花畑のようなサロンに向かい、「お茶会」と呼ばれるロリータたちの社交の時間を始めるのでした♡
■それではここでお伽噺モードからレポートに転換
知る人ぞ知る「ベイビー・ザ・スター・シャン・ブライト(BSSB)」のお茶会。高級ホテルやサロン・ド・テでやりつくしてしまい、同パリ店を運営する欧州ロリータの「ゴッド」と呼ばれているアンリミテッド社の澤田社長が、昨年夏に休止宣言をしたものの、石川テレビから取材のオファーを受け、この3月にラデュレで復活。狭き門の席数を勝ち得た45人のロリータが参加した。
また何で石川テレビが?と、現場ラデュレでお仕事中の同局営業本部企画室の喜多裕子副部長に尋ねてみたところ、驚きのおこたえをいただいた。このパリのお茶会で、「加賀ロリ」のプロモーションとマーケティング!石川県には「加賀ロリ」という加賀の伝統工芸とロリータファッションを融合させるプロジェクトがあった!!
キャラクターは、12代加賀藩主前田斉泰の正室、溶姫(ようひめ)をモチーフにした「溶ちゃん」。ラデュレでのお茶会には、石川県が公募した「加賀ロリデザインコンテスト」でグランプリを獲得したピンクの振り袖ドレスも紹介。「加賀ロリ」は今年のジャパンエキスポへの出展のために、パリロリたちにお土産付きでアンケートも実施。そしてこのお茶会の様子は同局のローカルニュースでも放映された。
日本に噂が届くほど、立派になったBSSBパリお茶会。これの継続に頭を悩ます澤田社長。ロリータたちのかわいいピンクのラブコールにどうするどうする?
■パリロリのグランプリは!
お茶会参加者同士で選ぶBSSBベストコーディネイト賞は、学生のサマンサさん。BSSBの姉妹ブランド「アリス&パイレーツ」ベストコーディネイトは、主婦のファニーさんが獲得。澤田社長から豪華記念品がプレゼントされました♡ 受賞者だけでなく、ロリータさんたち全員に参加賞も!
BSSBベストコーディネイト賞に輝いたサマンサさん
アリス&パイレーツ賞を獲得した主婦ファニーさん
前回のBSSBベストに選ばれた彼女はマスカレード風。そのお隣の彼、とても気になる
気になる彼の名は、ルドヴィック。ヴィスコンティが生きていたらスカウトしちゃうかも。ちなみに某有名メゾンの販売員だそうだ
とスィーツでちょっと背伸びしたお茶会。加賀ロリの資料を広げ、ビジネスティータイムみたいかも
「こんな楽しい仕事はありません!」と係りの男性はロリータお茶会の給仕について感想を述べてくれた
「あ、大変大変、つけまつげが落ちる〜〜〜」と焦りの場面も。あれ、主婦のファニーさんじゃありませんか!
「ロリータを撮っているワタシたちロリータを撮るのネ」
ラデュレ前で集合写真ヨ♡
松井孝予
(今はなき)リクルート・フロムエー、雑誌Switchを経て渡仏。パリで学業に専念、2004年から繊研新聞社パリ通信員。ソムリエになった気分でフレンチ小料理に合うワインを選ぶのが日課。ジャックラッセルテリア(もちろん犬)の家族ライカ家と同居。