1929年8月3日は、ソースティン・ヴェヴレンが世を去った日です。米国の社会学者で、1857年7月30日、ウィスコンシン州カトーに生まれていますから、72年の人生だったことになります。父も母もノルウェー人。最初はまったく英語を解しなかったという。
けれども1881年には、ジョンズ・ホプキンス大学に入学しています。その後、イェール大学でも学び、コーネル大学、さらにシカゴ大学へ。今では古典とされる『有閑階級の理論』を書いたのは、シカゴ大学での1899年のことです。
この中に「エナメル革の靴、真っ白な下着、光沢のある円筒形の帽子、ステッキなどに備わっている魅力の大部分は、このように盛装したとき、直接であれ間接であれ。人間の役に立つ職業で腕を振るうことができない…」と書いています。ファッション関係者必読書になっているゆえんでしょう。
ソースティン・ヴェヴレンは、パロ・アルトの山荘で、静かに眠りました。「墓を建ててはならない」と言い残して。(服飾評論家・出石尚三)