”親孝行しなさい。それで僕らは勝ってきた” (三根弘毅・ロンハーマンGM)

2013/05/27 16:22 更新


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ロンハーマンがブームだ。09年に1号店ができ、現在8店。4月にオープンしたグランフロント大阪と東京ミッドタウンの店は、行列の大盛況。他の店も平日昼から客が入っていて、カフェスペースでは子連れママがお茶する目立つ。業界の“ライフスタイル系ショップ”ばやりのきっかけを作り、海と空を感じるようなそのイメージを、どんなブランドより強いあこがれの対象にしてしまったロンハーマン。サザビーリーグ・ロンハーマン事業部ジェネラルマネージャーの三根弘毅さんに改めて、ロンハーマンとはどんな店なのか、どんなことを考えているのかを聞いた。ー2013年5月27日付け繊研新聞より

■薄まるんじゃなく、濃くなっている

--そもそもを振り返って

自分が着たい服の店です。こんな暮らしがしたい、こんな服を着てもらいたいというのを、あまり肩肘張らずに表現しました。自分が好きでやってみて、すべるのは仕方がない。でもこうしたらウケる、これを売ったら売れるだろうと始めてすべるのは、どうしようもありません。本当にいいと思っているんだから、そのままやってみようと。

僕が好きなメンバーに一緒にやろうと声を掛けて、そのメンバーがさらに仲間を連れてきて、そのまた仲間を探してくる。本気のサーファーがいたり、どんどん増えていきました。全てのことは人がやるんです。商品を選ぶのも、販売も、システムを作るのだって。販売スタッフが一番使いやすいシステムとはどんなものなのか、とか。その楽しい雰囲気がお客様に伝わればいいなあとやってきし、それでいいんじゃないかと。

人が増えたり店が増えたりすると、薄まるということが考えられるけど、仲間が増えて逆に濃くなっているんです。それが強み。普通じゃないメンバーばかりなんですが、まじめで無口よりも、遅刻してきても面白いものをやろうとしてくれた方がいい。お客様に対するときは個性の勝負だから。チーム一人一人の個性で、あったかく接する。

■店を連れ戻したい

--それが売れた。しかも大当たり

当たっちゃったんです。

僕はモードを死ぬほど勉強した。パリ、ミラノ、ニューヨークと世界のコレクションを見て、トレンドはこう、とか、ヒラヒラの付いたシャツを着たり。それを知った上で、もう片方に違う自分がいた。チャンスがあったのだとすればそれは、その世界にいながらもバカみたいにサーフィンしてたことかもしれない。モードを通り越した上で、何をやるかってことなんです。いいものはいいと言える何をするか。こんな店がいいよねっていうことじゃないかな。

一つひとつの店に気持ちを込めているんだけれども、今年はもう一度、店というものに畏敬の念を持ちたい、というのがテーマです。ブームみたいに上がってしまったことには、ブレーキをかけたい。店が自分たちから離れて、前を歩いているような感覚なんです。だから、これがあれば売れると分かっていても、僕たちは飽きたから止めればいい。売り上げが下がっても。新しい何かを、こういうものを売りたいというのを売ればいい。

もう一度立ち止まって、連れ戻したい。自分たちのやりたいことをやっているか、考えたい。ここからMD型になって行くのは違う。そういうところに行きたいんじゃない。


■精神的情緒的価値

--もう少し具体的に、何が当たったのか

物質的なものじゃない。精神、空気、においとか気持ち、ちょっとした笑顔。詩人みたいだけれど。有形の物質的価値じゃなく、無形の精神的情緒的価値です。そういうものを大事にしたい。それが勝ってきた理由なのかなと思う。

ミッドタウンの店=写真下=を決めたのは、外の緑を見たとき。あ、やるって。洋服買いながら風を感じる店。通路からあっち側の緑が見えて、子供が走り回っていて、飲み物を飲みながらでもいい。結局、自分自身もうろうろしたくなる店。実際、何も思いつかなくなった時、うろうろしています。ただ、それが家だと困るんだけど。日常になってしまうから。店には刺激がないと。

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スタッフにはまず、親孝行しなさいと言っています。おばあちゃんに席を譲りなさいと。そういうことです。お客様に「雨が降り出したから傘を持っていってください」というのは仕事だからじゃない。人間としてそういうことができないのに、店頭で上手にできたとしても、にせものです。

だからちょっと離れちゃうかもしれなけれど、恋をしなさい、サーフィンしなさい、それで僕らは勝つよって。チームで勝つ仕事をしたい。ライフワークにしてもらいたい。メシを食うためのライスワークじゃなくて。やってる僕たちがハッピーじゃないとライフワークじゃない。

■シンク・ビッグ・アクト・スモール

--これからは。出店はどのように

ガンガンはやらないけど、コツコツはやります。ロン(ロン・ハーマン氏)がよく「シンク・ビッグ・アクト・スモール」と言います。大きな将来像を考えて、することは鏡をピカピカに磨くことだったり、小さいこと。

人がやらないことをやるというのを突き詰めていけば、大きく出て行けるかもしれない。できるだけ多くの人にロンハーマンのしていることを伝えたいという気持ちはあります。不可能を可能にする何かしらの方法が見つかれば。荒稼ぎしようとは思っていないけど、限界を決めるのもおかしいですから。

--新しくマークイズみなとみらいに出店するRHCロンハーマンについて

俺たちの核になるようなものを、もう一回表現したいというのがコンセプトです。ロンハーマンは特別なものがあるスペシャリティーストア、RHCはゼネラルストア。セカンドラインではありません。イベントもあればカルチャー、アート、スポーツ、ビーチ・・。そこにはラグジュアリーブランドは入ってこない。あとは考えているところです。広くて、990平方メートルぐらいあります。家族連れで楽しんでほしい。

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