〝スピリチュアル消費〟が広がっている。目に見えない敵と対峙(たいじ)するコロナ下、前向きに生きる際の伴走者としてのファッションだ。西洋占星術とタロット、数秘を掛け合わせた独自の「天運命術」で、占いに基づいてカラーアドバイスするセラピストのMAIさんのところには訪問者が途絶えない。
(松本寧音)
MAIさんによると、占いを利用したり、信じる人が増えたのは20年から。コロナ禍で不安になったり、新しい働き方や居場所を模索する人が多くなり、需要がどんどん高まってきた。人と会う機会が減ったことで、小さなな悩みを誰かに相談できなくなったこともある。MAIさんのリーディングサロン「Shin」の利用客は現在、男女半々の割合。パートナーや子供には言えない悩みを話しに来る人も多いようだ。
MAIさんは元アパレル販売員。約15年間、外資系のファッションブランドや日系のセレクトショップで活躍してきた。客へのコーディネート提案やスタッフの教育のなかで、「主観ではなく、きちんとその人のためになる言葉を伝えたい」という思いが、占いを学ぶきっかけとなった。