2カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が大阪府枚方市に開いた商業施設、Tサイトが話題になっています。全国3番目、関西で初、店舗面積が1万7500平方㍍と過去最大、初めて取り組むTSUTAYA流百貨店とうたい文句はいろいろあります。
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その中でも出色だったのが、オープン2日前に開かれたプレス向け内覧会での、増田宗昭社長兼CEOの10分間にわたる熱弁。増田さんの出身地であり、TSUTAYA創業の地であることで思い入れが強いのでしょう。
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熱弁をふるう増田社長兼CEO
で、語った中身は、未来の小売業のあり方でした。それをCCCなりに考え、凝縮したのが枚方Tサイトということ。一番ベースにあるのは、ネットでは得られない「居心地の良さ」という点。ですから、ここは店ではなく、家であると。しかも、専門知識を持つコンシェルジュを配置して、ネットと差別化しようというわけです。
その上で、①仕入れて売るのではなく、つくって売るSPA②生活提案③権限を委譲する個店経営④データベースマーケティング―がポイントとのこと。
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中核になる「蔦屋書店」
増田さんのいうSPAは、われわれの業界で使うアパレル製品の製造小売業という本来の意味ではありません。あらゆる業種で自ら企画し販売するという意味で使っています。Tサイトには多くのテナントが入っていますが、それも含めてオリジナリティのあるSPAを入れたというわけです。
たとえば、「ザ・グラウンズベイカー」というベイカリーカフェは「大阪王将」を営むイートアンドが手掛ける新業態で、地元の食材を使ったここだけのパンが売りです。地元の美容サロンとCCCが提携関係にあるUKAと協業したトータルビューティサロンもあります。
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「大阪王将」イートアンドが手掛けるベイカリー
かといって飛び切り新しかったり、おしゃれな店があるわけではありません。毎日来ても飽きない、楽しいという点を重視します。ですから商圏は半径2㌔と小さく設定。これからますます増える60歳以上のプレミア世代を主な対象に設定。SC業態として成長が見込まれるコミュニティセンターの1形態と見ることができます。
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巨大な本の壁にしている吹き抜け空
最後に、ユニークだったのは「スマホと一体化した百貨店」とも定義づけたこと。専用アプリを取れいれれば、レストランの予約、買い物の決済、周辺駐車場の空き状況などたいていのことはスマホ一つでできてしまう。こんなところにも未来の小売業の提案が見えます。
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食の提案が目立つ
古川富雄 大阪支社編集部長が、関西のファッションビジネス情報の周辺、裏を紹介