魅惑の変身~フォンテーヌ(古川富雄)

2015/09/17 11:30 更新


先日、本紙「センケンコミュニティ」でファッション企業の歌にまつわる話題を載せました(記事はこちら)。その時、私は帽子の老舗、マキシンを担当。同社の社歌が”浪花のモーツァルト“=キダ・タローさんが作曲したことを紹介し、いろいろ反響がありました。そのマキシンで思い出したことがあります。

 

ミラノ万博日本館の制帽をマキシンが製作

 

今回はお気楽に読んでくださいね。

むかーし、「ノックは無用」というテレビ番組(1975~97年、関西テレビ制作)が土曜日の昼、放送されてました。上岡龍太郎と横山ノックが司会のいかにも関西らしいバラエティ番組でした。

番組のウリになっていたのが「魅惑の変身」。視聴者代表が頭からつま先まで最新モードに変身するという、今もよくある手法です。洋服、帽子、バッグ、アクセサリーなどを各社が提供するのですが、上岡龍太郎がスポンサー、ブランド名を言うと、横山ノックが復唱するというパターン。

たとえば、「神戸トアロード、帽子のマキシン」(上岡)、「まきし~ん」(ノックと観客)という具合。私もはっきり全部は覚えていませんが、「おしゃれな婦人服フェミナ大倉」、「神戸、大阪、ハンドバッグのみちぐさ」、「アクセサリーの創美」などがあったと覚えています。

ちなみに提供された商品は、変身した女性が持ち帰りしていました。「本日の変身は合計○○万円、すべてあなたのものです」(上岡)というのも関西らしい言い回しでしたね。

 


フランス産カーフの一枚革 を使ったバッグ「ティップゾーン」

 

マキシンは創業75周年を迎え、今も高級婦人帽子の代表的企業となっています。みちぐさはかつて神戸、大阪などにハンドバッグの専門店を出していました。これを源流としているのが、ティップゾーンです。今や神戸の新しい上質バッグブランドとして存在感を発揮し始めています。

魅惑の変身で最大のポイントが「ファンテーヌ」。上岡が「あなたのもう一つの髪、フォンテーヌ」と発すると、ノックと観客が「ふぁん て~~ぬ」。毎回爆笑でした。





古川富雄 大阪支社編集部長が、関西のファッションビジネス情報の周辺、裏を紹介



この記事に関連する記事