1月17日、阪神・淡路大震災で壊滅的被害を受けた長田、元町、三宮の街を歩いた。20年前の痕跡はどこにもない。逆にきれいに区画整理されたところが、20年前の惨事を思い起こさせる。
新長田駅近くに、鉄人28号のモニュメントがある。NPO法人が市民の寄付を募りながら完成させた。モニュメント周り、当日は若者たちの姿が目立った。新長田から南に行くと大正筋商店街。南三陸さんさん商店街の人が、壇上に立ち、大正筋商店街からの支援に感謝していた。こういった交流は大きなニュースにはなっていないが、とても大切なことだ。
もう少し歩くと、長田区の駒ケ林。「KOBE三国志ガーデン」という施設がある。三国志のミニテーマパークだ。鉄人28号と三国志は神戸出身の横山光輝がアニメ化したことで、これらをモチーフとする街づくりが震災復興として進められてきた。地元では賛成、反対両方の意見があるが、何もしないよりははるかに良かったと思うし、少なからず地元外の消費者を呼び込んでいる。
三宮の東遊園地。「1.17の集い」のメイン会場だ。毎年続けられてきたが、今年はとりわけ人が多かった。20年を一区切りにしたいという人も多かったのだろう。また、ここでも高校生など震災を知らない世代が、受け継ごうと元気に動いていた。
20年が過ぎ、震災が風化することは一定避けられないかもしれない。しかし、この震災を契機に変わったことはいくつもある。とくに、被災者が立ち上がり行政を動かしたことは、今日の自然災害時に大きく役立っている。
古川富雄 大阪支社編集部長が、関西のファッションビジネス情報の周辺、裏を紹介