帝人フロンティアは、ソフトな風合い、着用時の快適性と機能性を持つ極細中空8フィン断面紡績糸「オクタsf」を開発した。25年度秋冬向けからアウトドア・スポーツを中心に打ち出し、25年度は10万メートル、28年度には50万メートルの販売を計画する。
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独自の特殊な紡糸・延伸技術を使い、これまで困難だった中空8フィン断面の極細紡績糸を実現した。既存の中空8フィン断面糸は原綿を延伸する際の形態安定性に課題があり、柔らかくソフトな風合いを持つ細い糸を作ることが困難だった。
オクタsfは独自の紡績技術を活用してこれを解決。異型断面による空隙と、極細の紡績糸によるソフトな風合いと優しい肌触り、ナチュラルなふくらみ感などを付与した。繊維間に隙間があるため、かさ高軽量性や保温性などの機能も持つ。ウールや綿などの天然繊維や合成繊維などとの混紡により、多様な素材・製品の展開ができる。
同社は中空8フィン断面糸「オクタ」を活用したトリコット「オクタCPCP」やダブルラッセルの「サーモフライ」などを、アウターやミドラー用途を中心に展開している。オクタsfは着用時の快適性が求められるインナーやベースレイヤー向けに訴求し、用途のさらなる拡大を進める。
25年秋冬向けではほかに、ポリエステルとナイロンの機能を融合した次世代型素材「ミクセルNP」や、独自のスパン調質感と快適なストレッチ性を備えた「ソロテックスリベルテ」、ストレッチ織物「フレキシング」など、多様な素材を提案する。