毛皮製品のリメイク業を都内で営む会社の3代目。動物福祉の問題で毛皮には逆風が吹くが「製品そのものには罪はない」。親の形見や、思い出の遺品など、それぞれにエピソードがある。着用機会は減ったのに、大きく重い毛皮製品はかさばり、扱いに困る。そんな悩みを抱える顧客がいる限り「やめるわけにはいかない」と踏ん張る。社会問題視される素材を扱うが、新品を販売するわけでもなく、寿命を伸ばすニッチな老舗。どう会社を導くのか話を聞いた。
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事業が軌道に乗った90年代
――創業の経緯は。
67年に母方の祖母が千葉県市川市で始めました。戦後増えた外国人の毛皮の修理や、輸入品でサイズが合わない日本人客のお直しを祖母が内職で始めたと聞いています。修理に需要があるというのは毛皮の輸入販売する会社に勤めていた祖父から聞いて知っていたそうです。
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