スウォッチブックがDXでサプライチェーン効率化 衣料廃棄の削減目指す

2022/09/28 06:26 更新


ファッション領域全般を対象に「スウォッチブック」の利便性を紹介するセミナーも開催

 スウォッチブックジャパンは、アパレルやフットウェア、バッグ、インテリア関連などファッション領域全般を対象に、業界最大級の3Dデータプラットフォーム「スウォッチブック」の拡大を図る。

 9月からサービスセンターを開設、テキスタイルサプライヤーから供給される生地のデジタルスキャンや動画などによってデータ化し、アパレルや雑貨メーカーに供給する。

 米スウォッチブックCEO(最高経営責任者)兼スウォッチブックジャパン社長のヤザン・マルコシュ氏は「公共性がキーワード。これまでの業界のサプライチェーンのプロセスは、デザインから製造、販売へと流れていた。しかし、今後は業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速することで、デザインから販売、製造の順に変化することになる。これによりファッション産業の製販の効率化や、業界から発生する大量の衣料廃棄物の削減ができる」と強調する。

 米スウォッチブックはスピードを重視し、リアルタイムでレンダリングが可能なiPadプロ専用アプリ「ミックス」をアップルと共同開発し、日本市場でも活用する。ミックスは、スウォッチブックライブラリーからアパレルやシューズ、バッグ、インテリアなど製品の3Dデータを選択し、生地サプライヤーからデジタル形式で提供される素材を、製品の各部位に当てはめることで多彩なデザイン作成を可能にする。生地を製品に使用した時のイメージを表現するなど、スマートフォン上で容易に確認できる。同社は「実際の生地と比較してもほとんど差異のないデジタルによる表現力が特徴」(マルコシュ社長)としている。生地のデジタルデータは、ストックしている生地品番と直結しているため生地のQR供給も可能だ。

 繊維商社のヤギは、米スウォッチブックへの出資を決定し、同社との資本業務提携を締結した。ヤギは自社テキスタイルECサイト「ファブリー」を、スウォッチブックのプラットフォームにデータ連携させ、国内から海外へのテキスタイル販売を拡充する構えだ。

 スウォッチブックは17年に創業。現在は「ニューバランス」「アディダス」「ターゲット」「メレル」などスポーツとファッションアパレルなど約40のグローバルブランドのほか、世界170以上の素材サプライヤーが参加。10万点以上の繊維素材の3Dデータを保管している。

関連キーワードデジタルニュース



この記事に関連する記事