長野県松本市にある「スーザン・ユニーク・マーケット」は古着や雑貨、古物、アーティストの作品を販売するギャラリー兼ショップだ。刺繍アーティストの老野菜美子さんがオーナー兼店長を務め、手作りぬいぐるみ「ドールズサン」の作家、那須野さつきさんと共同運営している。
同店は元々デザイナーブランドを扱うセレクトショップだったが、23年にブランド受注会も行うギャラリー併設型に業態転換した。「自分も含め、お客様の興味関心が服以外に広がったと感じたから」と老野さん。
仕入れた商品以外に、自身で制作した作品も販売している。文字やイラストを刺繍したTシャツやスウェットシャツ、ナップザックなどが中心。文字をあえて反転させたり、キャラクターの輪郭をゆがませるなど、「ステッチのゆるさや不完全さ」が作品の魅力だ。
最近は店内で刺繍や物作り体験ができるワークショップも始めた。来店客はSNSで知った若年層のほか、近隣の古着店や美容室で働く感度の高い層が多い。松本市では年に一度、全国の作家が参加するクラフトフェアも開かれるため、その時期に客数が増える。「近隣にギャラリーや個店が多いため、お客様を紹介し合ったり、一緒に取り組みを行って町を盛り上げられたら」と話す。