「フーフー」初の実店舗が好調 ECにも波及効果

2023/01/20 06:28 更新


実店舗「ブティック」は温かみのあるビンテージ調の空間だ

 ステイト・オブ・マインド(東京)のEC主軸のアパレルブランド「フーフー」の実店舗「ブティック」が好調だ。初の店舗として東京・目黒に22年8月にオープン。売れ行きは良く、オンラインストアの売り上げも復調した。ECを含む年間売上高は5億円超で、目標は10億円。店舗に手応えを得て、出店拡大を検討中。デザイナーのマール高坂さんは「ECだけでは消費され忘れられてしまう危機感があった。遠くのファンも思いをはせられるメッカみたいな場所にしたい」と話す。

再販を繰り返すベロアワンピースとマール高坂さん

 店舗を持たないDtoC(メーカー直販)ブランドとして、16年にスタートした。「健康的な消費のために」をコンセプトに、シーズンごとのセールはせず人気商品の再販を強みとする。SNSの発信や、消費者に向けてサンプルを見せる「試着会」を全国各地で行い、ファンを獲得してきた。コロナ下ではインスタグラムのライブの視聴者が増え、認知度も一気に上がった。

 当初はライブ配信や実店舗を持たない販売方法は珍しかったが、今や市場は飽和状態。「ブランドの規模拡大に合わせて実店舗は必要だと考えていた」と高坂さん。約3年前から、出店を計画していたという。

 ブティックは東横線の祐天寺駅から歩いて数分の住宅街にある。約13平方メートルの小さな店だ。開店は午前11時半で、午後3時半から90分ごとの完全予約制にしている。スタッフは店長を含めて4人で、全員が試着会に訪れていた元顧客だ。来店者には紙のカタログが渡され、ECで完売したアーカイブも購入できる。

 21年末から苦戦していたオンラインストアも回復した。新規客や遠方からの来店もある。店舗はショールーミング形式や受注生産の窓口などの機能を持たせ、合理性を求めず、ECとの同質化を避けた。顧客の来店の体験がSNSで話題という。

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