TSIグルスポ 「セント・アンドリュース」の出店加速 

2018/09/14 06:29 更新


 TSIグルーヴアンドスポーツ(グルスポ)は、17年秋に立ち上げたゴルフウェアブランド「セント・アンドリュース」の事業を拡大する。9月に百貨店2店に出店し、10月からは東京・広尾に開設する自社商品中心の直営セレクト店でも商品を展開。19年春夏物からは主力専門店での取引を拡大する。セント・アンドリュースは19年2月期に売上高約3億円を見込むが来年度は10億円を計画する。

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 7日に百貨店インショップとしては小田急百貨店新宿店ハルクスポーツ店に続き2店目となる松坂屋名古屋店に、33平方メートルのインショップを出した。14日には阪急うめだ本店にも33平方メートルのショップを開設。10月には広尾にありグルスポとして3店舗目となる直営の「ザ・ハウス」にも商品を出す。

 19年春物を投入する来年2月からは、大手スポーツ小売りのアルペンで取引店舗を拡大。現状15店を50店へ拡大し、専門店への卸を計60~70店へ広げる。

 事業開始1年目の販売実績は計画をやや下回ったが、百貨店各店で実施した期間限定店で成果を得たことから、今秋から積極出店に転じることにした。

 高評価を得ているのは、グルスポが製造・販売する他ブランドと異なる立ち位置を確立できたため。ブランドコンセプトに「グラマラスノーブル」を打ち出し、商品では非日常を感じさせる艶っぽい大人服を充実。セント・アンドリュースという本国イギリスのゴルフ場が持つトラッドなイメージを良い意味で覆した。その結果、ポップで元気な「パーリーゲイツ」や、プレーのために徹した機能服の「マスターバニーエディション」との違いを鮮明にできた。

 グルスポの総合力を生かした販促策を打っていることも奏功している。現在、セント・アンドリュースでは上井邦裕プロと福田真未プロと契約するが、そのほかにも同社の他ブランドで契約するアスリートに、契約の範囲内で期間・試合数限定で着用してもらえている。これにより、プロの活躍を通じたブランド認知が向上した。

 今後の課題は、ブランド内のライン構成の見直し。現在、ラグジュアリーな「ブラックレーベル」と、プレー向けの「ホワイトレーベル」に分けて展開している。それぞれに特徴が出ているが、「ブラックレーベルがとがり過ぎているため、ホワイトレーベルとの違いが出過ぎている」(渡邊浩章ディレクター)という。そこで19年春夏物からは両ラインでミックスコーディネートしても違和感のないよう、商品企画を修正する。

7日にオープンした名古屋松坂屋店


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