紡績企業の23年4~6月連結決算が出揃った。繊維事業は前年同期と比べ、市況の回復を背景に3社が増収。損益は原燃料価格の上昇、円安などによるコストアップが響いて2社が減益、3社が赤字だった。特にユニフォーム分野は需要の回復によって受注は堅調だったものの、コストアップに対する価格転嫁が思うように進まず、損益を大きく圧迫した。
各社の繊維事業を見ると、ダイワボウホールディングス(HD)は増収減益。合繊・レーヨン部門は制汗シートやコスメ分野などの不織布製品や海外向けの難燃レーヨン素材は好調だった。産業資材部門は重布関連商品が堅調だったが、カートリッジフィルターの受注は伸び悩んだ。衣料製品部門は、国内向けは価格改定により収益改善が進んだが、米国向けは需要の回復が遅れて苦戦した。