バイオベンチャーのスパイバー(山形県鶴岡市)は、構造たんぱく質繊維「ブリュード・プロテイン」(BP)で新たに、丸編みメーカーのエイガールズ(和歌山市)、織物メーカーの植山テキスタイル(大阪府守口市)と共同研究契約を締結した。
これまでの加工委託ではなく、「より売れる素材を熟知しているプロに加工してもらい、販売まで担ってもらう」(鈴木智也ビジネス・ディベロップメント&セールス部門チームマネージャー)ことで、BPの普及を加速させる。
エイガールズは、BPの混率を30~50%に高めた丸編みを開発した。例えば、天じくはオーガニックコットン混、ボアはリサイクルポリエステルの基布に、BP100%かBPとシルクが半々のパイル糸を絡ませた。
植山テキスタイルは、シルクや綿、ウールといった天然繊維混を中心に、カジュアルな雰囲気の後染め織物を提案する。これまでのBPはエレガントな生地が多く、テイストを広げることで、攻め切れていなかった販路を開拓したい考えだ。
新作は、24~25年秋冬に向けた国際素材見本市のプルミエール・ヴィジョン(PV)パリで訴求する。20年から共同研究契約を結ぶ豊島との開発品も展示し、綿やセルロース繊維「テンセル」など様々な原料を複合した織り・編み物を揃える。
3社とは今後、糸の企画からも積極的に共同し、来年2月のPVパリへの出品を目指す。伊紡績など海外の素材企業との開発も視野に入れる。