コロナ下に開業した個店 あえてリアル店舗にこだわる

2023/06/08 07:59 更新有料会員限定


 コロナ下の厳しい状況でも開業する個店がある。アパレル業界全体もEC強化が叫ばれ、大手企業が商業施設や東京の路面店から退店が相次いだ。そうした中でも、リアル店舗にこだわり、開業後も順調にファンを増やしている。今後、人と人のつながりが求められる中、個店本来の魅力を発揮することで、さらなる飛躍が期待される。

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プレズノ(千葉・柏) 濃く深いアメカジ店作り

 大人の男性向けアメカジショップ「フレズノ」は21年6月、千葉県柏市に開業した。アメカジメーカーで15年ほど働き、物作りと店舗運営も経験してきた矢澤憲生代表は「起業するなら学生時代から25年過ごし、愛着のある街、柏市内でチャレンジしたい」との思いが強かった。

「地元客がふらっと気軽に立ち寄れる店にしたい」と矢澤代表

 独立の時期がコロナ禍と重なったが「ここまで悪い状態からのスタートはなかなかないだろう。後は上がっていくだけ」と腹をくくれたと矢澤代表。約30平方メートルと小さな店だが、駅近で駐車場を完備した立地が遠方からの来店客に効果を発揮した。コロナ禍で東京を避ける傾向が強まったため、栃木、埼玉、神奈川などからアメカジ好きを集客することができた。地元回帰の流れも後押しした。何よりも前職で店長経験も長かったため、当時の常連客が開業祝いを兼ねて来店してくれたことも大きかった。開業から2年、売り上げは右肩上がりで伸びている。

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