【今日は何の日?】卒業アルバムの中折れ帽の俳人

2017/08/18 04:20 更新


 2010年8月18日は、俳人の森澄雄が世を去った日です。1919年2月28日、今の姫路市網干区に生まれていますので、91年の人生だったことになります。

 5歳で長崎に移り、朝日尋常小学校に入ってます。学校の先生の影響で俳句に興味を持ったとのこと。1937年に長崎高等商業高校に入る。この時の先輩に作家の島尾敏雄がいたという。世の中狭いものです。

 島尾は森について、こんな風に書いています。「彼の写真には着流しで町なかを歩いていたり中折れ帽をかぶったりしたものがほかよりも際立ち、独特の気配をあらわしていたのである」。これは卒業アルバムの写真について。つまり、皆のように制服制帽姿ではなかったと。

 そういえば、森の初期の句に「帽深く 瞳に雪ふれて なつかしや」というのがあります。1940年の句作。「雪」とあるのですから、冬のことなんでしょう。「帽深く」これもまた、中折れ帽だったように思われるのですが。(服飾評論家・出石尚三)


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