【ロンドン=若月美奈通信員】キャンプ用品メーカーのスノーピークが24日、ロンドンに欧州初の直営店を開いた。ピカデリーサーカース南側のリージェントストリートに面した3フロア、売り場面積400平方メートルの店は、再開発によりスタイリッシュな小売り・飲食店が集まるスポットとして注目されるセント・ジェームズ・マーケットの一角にある。
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1階のエントランスには「スノーピーク」の世界を伝えるキャンプ小物やアパレル商品が並び、奥はコーヒーや日本茶を提供するカフェスペースになっている。2階はアパレル、地下はキャンプ用品でリペアルームもある。アパレルはユニセックスで、やまととの協業による「アウトドア・キモノ」なども揃う。キャンプ用品とアパレル商品の比率は半々。
スノーピークは14年、アパレル事業に進出。ピッティ・イマージネ・ウオモなどの展示会に参加して英国でも15年から有力セレクトショップで販売してきた。今回の直営店は、その実績を踏まえ、改めてキャンプ用品メーカーとしてのブランドの全体像をアピールし、欧州事業の戦略拠点となる。
「英国には日常的にアウトドアで豊かな時間を過ごす文化がある。フライフィッシングの発祥の地であり、貴族や富裕層もアウトドアを楽しんでいる」と、山井梨沙副社長はロンドンを選んだ理由を語る。「休暇が長いこともあり、家族連れで東欧や北欧にまでキャンプに出かけたり、庭でバーベキューを楽しむ人々も多い」。ユーザーとの二人三脚で開発を進めて現在に至った日本市場同様に、欧州市場における豊かなキャンプスタイルの提案を目指す。