つなぎ服のエスケー・プロダクト 農業女子向けが好評

2019/02/01 10:59 更新


 つなぎ服専門のユニフォームメーカー、エスケー・プロダクト(福山市)が業績を伸ばしている。ニッチな市場の中、小規模ならではの小回りの良さと着想で、細かなニーズに応える個性的な商品を打ち出している。

 力を入れているのが、農業に従事する女性向けのつなぎだ。つなぎと言えば自動車修理工場などで働くエンジニアなどの服のイメージが強いが、「つなぎ市場の約2割は農業従事者。しかも夫婦や家族で働くケースが多いので、女性比率が高い」(池本誠治社長)と言う。

 昨年の春夏企画で好評だったのが、酪農女子向けに作ったヒップオープンストレッチつなぎ。綿・麻混の清涼感のある薄くて軽い素材を使い、着用したままトイレに行けるよう腰部にぐるりと開閉ファスナーを付けた。ほかにも腕まくりがしやすいシャーリングゴムとマジック留めを付けた袖口やガーデニングで使う霧吹きを引っ掛ける腰部のループ、スムーズな開脚が可能な立体裁断によるクライミングカットの採用など、ささいだがあるとうれしい機能を取り入れたことで売れた。「酪農では飼育や搾乳、繁殖など分業が進んでいる。ニッチな市場だが多様性があり、競合はほとんどいない」として、北海道や東北での販売を強める。

 今上期(18年4~9月)の売上高は前年同期比16%増だった。昨年7月の豪雨の影響で倉庫が浸水するなど被害があったものの、2ケタ増を維持した。価格設定は高めだが、デニム調やヒッコリーなどそれまで市場にほとんど無かった独自性のある商品が農業従事者やガーデナー、バイカーなどに売れている。今春夏向けの1月展では新たにシャンブレーを提案した。下期は10、11月が減収となり苦戦しているが、通期では前期比10%増の5億円を見込む。

オリジナルブランド「グレイス・エンジニアーズ」の19年春夏向け綿・麻混のシャンブレーつなぎ


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