デニムアイテムに合うシルバーアクセサリーブランドや専門店が目立ってきた。ジーンズを強みとしてロイヤル顧客の多い有力個店で期間限定店を開き、認知度を高める動きも活発だ。
(高塩夏彦)
大人のアメカジに
ミヤザキカズヒロさんが手掛ける「フェノメノン・ビヨンド・ディスクリプション」は、米国のビンテージコインから作るシルバーアクセサリーのブランド。立ち上げから約20年、コインアクセサリーのパイオニアだ。中心価格はネックレスで2万~3万円、リングで2万~4万円。
64年以前に作られた銀含有量が90%のコインのみを使う。デザインはワシや羽のようなネイティブアメリカン系の意匠はあまり使わず、手持ちのアクセサリーと合わせやすいシンプルなものが多い。
6月に東京・原宿のメンズカジュアル専門店、ハミングバードヒルショップで期間限定店を開いた。同店は大人好みのアメカジアイテムが主力で、客層と合致し、よく売れた。店頭に立ったミヤザキさんは「新規客と直接交流でき、手応えがあった」と話す。
「本物」が受ける
ナバホ族の伝統的なシルバーアクセサリーのナバホパール専門のEC「ナハイ」も個店での期間限定店で売り上げを伸ばしている。時光佐和代表が旅先で出合ったナバホパールに魅せられ、21年に立ち上げた。
扱うのはナバホ族の作家の商品のみ。製法はまず銀の塊を溶かし、部族の古い住居を模した半球型のパーツを作る。それを上下で組み合わせて球にする昔ながらのやり方だ。球の大きさとチェーンの長さで価格は異なるが、小ぶりのブレスレットなどは1万円以下で買える。40代以上の女性顧客が多い。
5月に国産ジーンズ、インポートのカジュアルウェア、オーダースーツなどを扱うメンズ主力のショップ、デニムセラーで期間限定店を開いたところ好評で、延長して販売を続けている。同店の主要顧客はこだわりのある大人男性。「本物のネイティブアメリカンアクセサリー」のストーリーが受けて売れている。今後は百貨店などでも期間限定店を開きたいという。