詩仙堂、40代女性向けに「室町八景」 

2016/01/08 06:50 更新


 詩仙堂グループ(山口県岩国市、田村均社長)は16年春物から、40代女性向けの「室町八景」を販売する。室町八景の発売により、主力の50代以上の「詩仙堂バイヒトシ」、15年10月に販売開始した30代向けの「詩仙堂トモコレクション」と併せ、顧客層を広げるブランド体制が整う。

 室町八景は40代が買いやすいとして、中心価格帯を1万5000~2万5000円に設定。チュニックなど丈の長いトップを中心にトータル展開する。一つのブランドでコーディネートの幅を広げるために、田村社長をメーンに、トモコレクションの田村智デザイナーの二人でデザインする。

 同グループの特徴であるちりめん素材はこれまで、ポリエステル強撚の単糸を使った独自の「輪硝ちりめん」を使っていた。室町八景では着心地と肌触りを良くするために、さらに強撚糸をカバリングした糸による新素材を使う。織物にするのが難しかったため、開発に10年かけたという。

 「開発のキーワードは、自分に対するケア。整えた体にまとうファッションをめざし、開放感やリラックス感と可愛いさを両立したかった」(田村社長)としている。従来の商品に比べ3分の1程度の軽さで、ストレッチ性と柔軟性が高まった。光沢も増し、特有のシボが深くなったことで表現も豊かになった。

 「ちりめんは布帛の中でも個性が強い生地だが、若い世代では素材としてのなじみが薄い。新ブランドを出すことで他社製ではなく自社製品から、ちりめんを知って欲しい」(同)としている。

 同グループは全国の百貨店を中心に、132店を運営しているが、室町八景とトモコレクションは新規店で広げたいとする。室町八景は関東地区の百貨店で3月に出店することが決まっているが、本格的な多店舗化は秋ごろからとしている。

 また、全品が国内生産であることから、インバウンド(訪日外国人)需要の多い百貨店から、メード・イン・ジャパンを切り口とした期間限定店や催事のオファーもあり、こうした要望にも応えていきたいとしている。

新素材のポリエステルちりめん生地を使った「室町八景」



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