シンゾーンは、ECモールには出店せず店舗と自社サイトに絞ることで、一貫したブランドイメージを伝えている。運営を担当する北村さんに聞いた。
――ECの運営体制は。
専属はほぼ私1人で、仕入れ商品の撮影、採寸、原稿作成、カスタマー対応、メルマガやバナー制作などを行っています。
23年に基幹システムを刷新し、同時に店舗とECの会員プログラムを統一したため、双方の買い回りを促進できるようになりました。
――モールに出ない理由は。
直営店がプロパー販売を重視しているため、ECモールのクーポン施策やタイムセールにはあまり乗りたくないという考えです。自社ECに絞ることで、ブランドイメージをぶらさず表現できるメリットもあります。商品の着用画像はシーズンテーマに合わせて屋外で撮影したり、文字のフォントやバナーの見せ方も自社で考えています。
――ECの客層は。
実店舗と同様に、30代後半~40代の女性が中心です。長年の顧客やブランドをよく知ってくれている方が多いため、ワイドボトムの「ジョゼシリーズ」やスウェットの「コモン」など、ユーザーが品番名で検索する傾向も高いです。
――独自のサービスは。
商品の修理や再販希望など、問い合わせにはできる限り対応しています。店舗ではお客様への丁寧な接客が特徴で、お茶やお菓子でもてなすこともあります。ECでも商品にサンキューレターを添えたり、ノベルティーを同封するなど、シンゾーンらしい心配りを大切にしています。
――注力する点は。
着用感をもっとリアルに伝えるため、販売員のスタイリング写真をサイト内に掲載し始めたところ、最もクリック数の多いコンテンツになりました。現在のEC化率は25%前後ですが、店頭と連動した施策で、買い回りを増やしたいです。
