今年も「SHIBUYA109lab.トレンド大賞2025」を発表いたしました。アラウンド20(15~24歳)の女性619人を対象に実施したアンケート結果から、25年に若者の間で流行したものを発表しています。
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今年のトレンドでまず特筆すべきはキャラクター人気です。高校生・大学生10人と開催したノミネート選定会議でのあまりの支持の多さから、今年は新たに「キャラクター部門」を設けました。「ラブブ」をはじめ、大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」や、「日焼けキティ」をはじめとした平成期のキャラクターなどが幅広く楽しまれています。
「ぬい活」は8割が経験
体験部門でも、チャームの先がラバーバンドになっている小さなキーホルダーで、傘の柄やリップなどに着けて楽しむ「めじるしアクセサリー」や「ぬい活(ぬいぐるみ活動の略)」「シール帳」といった、「キャラを介して自己表現する」体験が上位を独占しました。
この潮流は23年後期ごろから顕在化しており、ぬいぐるみをバッグに付けて持ち歩いたり、写真を撮ってSNSに投稿したりする若者が増えています。25年1月に実施した調査では、「ぬい活」を経験した若者は8割に達し、ぬいぐるみが単なる推しの対象を越え、ファッションアイテムやコミュニケーションの道具として定着していることが示されています。
「ムード」は数年継続
またファッション部門では、昨年から引き続き平成中期の日本のカルチャーを反映したY2Kファッションや、キーアイテムを中心に楽しむ「○○コア」の人気がトレンドに。ただし、若者が指す「Y2K」は、90年代ギャルカルチャーからやや変化が見られています。今年の主流はウィッシュコア(星や羽などのモチーフにドットやボーダーなどのポップな柄を取り入れたスタイル)のようなポップで愛らしいモチーフをはじめとした、平成の小学生文化を指す「平成女児」が、平成リバイバルトレンドの中心となりました。
さらに、「耳つぼジュエリー」や「ボディジュエリー」など、自分の気分を静かにアゲられる「クワイエット・アゲ」なアイテムが多数ランクイン。デザインはさりげなく、しかしキラキラとした派手さを持ち、周囲との調和を乱さずに自分の気分をアゲることができる点が支持されています。
トレンド大賞の結果には、若者の今の消費やコミュニケーションのムードをつかむヒントが多く隠れています。表層に出てくるトレンドは目まぐるしく変わりますが、「ムード」は数年継続します。ランキングの結果を楽しみつつ、来年以降の施策に生かせる彼らの動向を、ぜひ見つけてみてください。

