男性の更年期?不安な時の5つの心得

2016/09/12 14:12 更新


《センケンクリニック》 ー業界人の健康相談、受付中ー

  【質問】 常にイライラしています。先日、自分でも驚くほど、部下に大声を上げてしまいました。妻も「男性の更年期障害が、はやっているらしい」と心配します…。

(40代・男性・営業)

【回答】 流行しているわけではありませんが、症状が現れるのが、昔よりも早期化していて、悩んでいる方が多いのは事実です。大事なのは、自然に抗わず、自分を受け入れること。焦らず、リラックスして、体力をつけるよう調整しましょう。

(漢方薬局店主、薬学博士の根本幸夫さん)

◇今日の心得◇

1.「素直に、相応に」が大事
2.見栄は「くせ者」と心得よ
3.筋トレよりストレッチ
4.オイスターソースは良し
5.漢方薬は滋養強壮の味方
【詳細】

男性の更年期障害が流行しているわけではありませんが、話題性があるので、マスコミが取り上げることが増えたのでしょう。ただ実際に、症状が現れるのが、昔よりも早期化していて、悩んでいる方が多いのは事実です。女性の更年期障害は広く知られていますし、徐々に症状が現れるので対応もしやすいのですが、男性の場合は自覚のないままに、ある日、突然、やってくる感覚のため、自信を失う人もいます。

 

更年期とは、年期を更新するという意味ですね。同じ言葉ではありませんが、中国最古の漢方の古典『素文』では最初の章「上古天真論」で、その摂理や対応法が記されています。「昔の人は100歳を過ぎて動作も衰えないのに、今時の人間は長生きしないだけでなく、肉体も心も衰えるのはなぜだろう…」と始まります。少なくとも2000年前の“現代人”が、昔の人より多くの欲を持って暮らし、己を知らず、自然界にも学んでいないと指摘しています。

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その中で、人間にも一つのサイクルがあり、女性なら7年、男性なら8年ごとに肉体的な変化があると書かれています。女性の場合、14歳で生理が始まって子を産めるようになり、28歳に肉体美のピークを迎え、35歳から衰えが見られ始める。42歳で白髪が増え、49歳で子が産めなくなるという具合です。男性は16歳で精気が整い、最もかっこ良くなるのが32歳。40歳で腎気が弱り、髪の毛が抜け、歯も衰え始めます。このあたりから老化が進み、48歳で陽気が衰えて白髪が増え、56歳で筋力が弱り、精気が衰えるとあります。

 

つまり、男性の生殖機能やホルモン代謝が衰えるのも自然なのですが、プライドや見栄が邪魔して、攻撃的になったり、落ち込んだりしがちです。特に、最近の40歳前後、48歳前後の男性は精力の衰えと同時に、組織内で板ばさみになる中間管理職が多く、ストレスを抱え、精神不安やイライラ、不眠などの症状に悩みやすくなっています。

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大事なのは、自然に抗わず、自分を受け入れること。おしゃれに無頓着だった男性が、急に“ちょい悪オヤジ”に憧れたり、筋トレを始めたり…は危険信号です。焦らず、リラックスして、体力をつけるよう調整しましょう。強精のためには食べ物では、ニンニクやニラ、玉子、オイスターソース、脂身のない牛肉がお薦めです。

 

漢方薬には、海狗腎(かいくじん)や鹿茸(ろくじょう)など貴重な生薬が豊富です。西洋が錬金術から化学を発達させたのに対し、中国は不老長寿と滋養強壮・強精のために漢方を発達させてきました。新聞に詳細を書きにくい秘薬や秘法もありますから、気になる方は薬局にいらしてください。



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