「シーニューヨーク」モニカ・パオリーニさん、ショーン・モナハンさん 世界に支持される魅力とは?

2024/05/22 12:00 更新


モニカ・パオリーニさん(左)とショーン・モナハンさん

 ニューヨークを拠点にする「シーニューヨーク」は5月26日まで、渋谷パルコの1階で期間限定店を開いている。岡山産地で作ったデニム商品を揃えるなど、クラフトマンシップに磨きをかけている。グローバルにビジネスを伸ばし続ける要因を、来日したデザイナーのモニカ・パオリーニさん、ショーン・モナハンさんに聞いた。

(須田渉美)

 売り先はこの数年、北欧、中国、韓国などさらに増えて、売り上げは伸び続けています。日本向けは09年にスタートし、卸売りが好調に伸びていったのですが、最近は落ち着いていました。一方で、私たちのECを利用する日本の消費者は増えていて、SNSでの問い合わせも多い。そこで、試験的に期間限定店をやってみてはどうかと考え、日本の輸入代理店の協力を得て渋谷パルコに開きました。

 限定商品のほかに、プレフォールコレクションを世界で一番早くに販売しています。3カ月ほど前に始めた「ハーモニー」シリーズでは、友人のアーティストが描いたイラストを手刺繍で表現した柔らかな雰囲気のアイテムを揃えました。水溶性の染料、場合によってはアップサイクルの生地を使うなど、環境への優しさとともに、人とのつながり、伝統の職人技術など、様々な要素が調和したデザインを意識しています。将来は、全コレクションにその考え方を広げていくかもしれません。

 現状は製品の80%をインドの工場で生産しています。手仕事を生かしてビンテージ感やロマンティックな印象を表現するとともに、着やすいスタイルは欠かせない要素です。手に届く価格帯で、誰もが快適に過ごせる服作りが、国を問わず、世界の女性に受けていると感じます。

 ただ、日本の小売価格は、円安が進んで高くなってしまった。日本のデザイナーブランドと比較して割高に感じるので、今後、インドから直接輸出し、もう少し抑えた価格で販売できればと考えています。

手仕事で装飾しビンテージ感を表現したドレスともに日本限定で「クラークスオリジナルス」との協業商品もそろえた


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