SCに広がる事業所内保育園

2016/03/29 06:52 更新


 今春、商業施設でテナントのスタッフも子供を預けられる事業所内保育園の設置が広がる。

 仙台ターミナルビルはこのほど開業したエスパル仙台東館4階に4月1日、「エスパルキッズ保育園」をオープンする。0~2歳児の20人を営業時間に合わせた午前9~午後10時で預かるという。

 販売スタッフの確保が難しくなる中、高時給で集めても定着しないという悩みがあった。エスパル仙台は駅ビルのため、自宅近くに子供を預けて働くとなると通勤時間に加えて送り迎えの時間が必要なため、優秀な人でもパートにならざるを得ないこともあった。

 そこで「安心して働ける環境づくりは役割」(新妻博敏社長)として、設置の検討を続けてきた。保育園としての基準のほか、経費負担などのハードルがあったが、仙台市が支援制度を設けたことなどが後押しして実現した。

 先行するイオンは施設数を増やす。イオンモール幕張新都心で14年12月に設けたのを皮切りに、沖縄ライカム、常滑と増やしている。常滑は開業と同時に開園し、新店のスタッフ確保につなげるような役割も果たそうとしてきた。

 4月1日には、イオンレイクタウンとイオンスタイル湘南茅ヶ崎に「イオンゆめみらい保育園」が開園する。湘南茅ヶ崎はイオンリテールとして初の取り組み。さらに、イオンモール名取での事業所内保育園の開設も決まっている。

 行政の支援は欠かせないが、社会的に求められ、人材問題の改善につながるES(従業員満足度)向上の取り組みが広がり始めた。



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