広域からの集客力を強みにしてきた大型商業施設が足元商圏の集客に力を注いでいる。コロナ禍で20年度は2、3割売り上げを落としたが、地域を捉え直すことで回復につなげる。緊急事態宣言は首都圏も解除されたが、県境を越えるような移動の自粛が広がっているため、それぞれ地域の期待に応える取り組みに力を注ぎ、19年度の売り上げに迫ることを目指す。
【関連記事】首都圏近郊の大型SC 安心、開放感でリピーター集める テナントも都心からシフト
(田村光龍)
医療機関へ支援も
テラスモール湘南(神奈川県藤沢市)は、共用部に800席を備えるなどの機能を地域に改めて打ち出している。
同施設は280店が揃う有力施設として定着、18年には大改装し、より広域に商圏を広げようとしていた。しかしコロナ下で重点を設定し直した。これまで、湘南地域への情報発信を強め、近隣医療機関への支援などに取り組んできた。アパレルでも退店を補いながら期待に応えられるゾーンを維持し、感染予防策を徹底した地域コミュニティーの場としてのアピールを強めている。減少していないという藤沢市や隣の茅ヶ崎市などからの来店客に応える。