三陽、「バーバリー」終了響き40%減収赤字へ

2016/07/30 12:22 更新


 三陽商会の今上期(16年1~6月)は、売上高が341億4000万円(前年同期比38.3%減)、営業損益は58億1200万円の赤字となった。15年6月末で「バーバリー」のライセンス事業が終了したことに加えて、主販路である百貨店向けブランドの不振が響いた。

 全社での店頭販売実績は、前年比39%減と厳しい結果となった。既存事業対比では4%減にとどまったものの、新規事業の苦戦が目立つ。バーバリーの後継ブランドとして経営資源を集中したマッキントッシュ・ロンドン事業とブルーレーベル・ブラックレーベル・クレストブリッジ事業は計画比18%減と低調に推移。

 第2四半期では、内需の伸び悩みとインバウンド(訪日外国人)消費の低迷などにより、婦人服や夏物のカジュアルアイテムの動きも鈍かった。

 一方、厳しい市況の中でもメンズブランドは健闘している。「マッキントッシュ・フィロソフィー」メンズの売上高は前年比13%増、三陽山長は11%増、「エポカ・ウォモ」は8%増、「ポール・スチュアート」メンズは3%増となった。

 販路別では百貨店が前年比37%減、ファッションビル・路面店が52%減、アウトレットが60%減と前年を下回ったのに対して、EC・通販は30%増と伸ばした。

 売上総利益率は39.8%で、約27億円の棚卸資産評価損の売上原価への前倒し評価計上により、前年比10.9ポイント悪化。販売・管理費の効率化に努めたものの、販売・管理費率56.8%で前年比20.1ポイント悪化し、営業損益は赤字となった。

 厳しい結果を受けて、18年度を最終年度とする中期5カ年経営計画を取り下げる。経営改革委員会を立ち上げ、10月末をめどに、17年を起点とする新たな経営計画を策定する考えだ。



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