三陽商会 日本でのサステイナブル事業に注力

2019/10/30 06:27 更新


慎エコ・アルフジャパン代表取締役(左)、ゴジェネーチェエコアルフ代表兼創業者

 三陽商会は、サステイナブル(持続可能な)関連事業の拡大を目指す。スペインのエコアルフ・リサイクルド・ファブリックス(エコアルフ)と合弁で設立したエコアルフ・ジャパンを通じて、日本での新プロジェクト「アップサイクリング・ザ・オーシャンズ・ジャパン」を発足した。

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 このプロジェクトはエコアルフがNPO(非営利組織)としてエコアルフ財団を創設して活動している。海洋に廃棄されたプラスチックなどのゴミを回収し、リサイクル素材として再生し、最終製品としての活用を推進している。

 同財団は15年にスペインで、海洋プラスチックゴミを回収し分別、再生して製品化する活動をスタートし、現在はスペイン37カ所の漁港で約3000人が携わっている。同プロジェクトはタイでも行われている。エコアルフ・ジャパンは日本でもこの取り組みを具体化する方針。既に協力漁港として千葉県天羽、銚子が候補に挙がっている。

 エコ・アルフジャパン代表取締役で、三陽商会の慎正宗氏(執行役員経営統轄本部副本部長兼デジタル戦略本部副本部長兼経営戦略部長)は「日本で廃棄された海洋ゴミを、日本で製品化するサイクルを21年には構築したい。取り組みには原糸メーカーやテキスタイルメーカーなどの協力が必要」として、今後、協働する企業や団体、個人を募集する。「ファッションの中のサステイナブルという限られたテーマではなく、消費行動そのものに影響を与えることで、他とは圧倒的に差別化されたブランドを目指す」(慎代表取締役)としている。

 「エコアルフ」ブランドのスタートを20年春に予定しており、東京・渋谷に旗艦店を出店する。主力アイテムのアウターウェアは2万~3万円台、スエットで1万円台後半など。スペインで展開するアパレルを中心とした約500品番の内約200品番を日本で販売する。

 エコアルフ代表兼創業者のハビエル・ゴジェネーチェ氏は「リサイクル素材や環境負荷の低い素材のみによって生産した商品を揃えた、100%サステイナブルなブランド。トレンドに左右されないスタイリッシュで機能的なコレクションを作り続ける」としている。



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