「サカヨリ」が初のショー

2015/04/07 08:11 更新


 「サカヨリ」(坂寄順子)は東京・南青山のブルーノート・トウキョウで、初めてショー形式でコレクションを見せた。ピアノとチェロの生演奏をバックに、サカヨリらしいパターンメークにこだわったラインを揃えた。15~16年秋冬のテーマとなったのは「フラッパーラウンジ」。マスキュリンとフェミニンの間で、サカヨリ流の女性らしさを表現している。

 テーラードジャケットは、スカートのように見えるキュロットやジレを合わせてシックに遊ぶ。ストライプのジャケットは、バイアスにストライプがねじれるスカートとのセットアップで見せる。

   マキシドレスにのせるのも、レジメンタルタイやコール地のパンツを思わせるストライプ柄だ。ダブルフェイスのカシミヤタッチのプルオーバーは、上質な素材感を生かしたバレルシルエット。スカラップディテールのカットワークスカートは、ボリュームセーターとのコントラストを作る。かっちりとしたテーラードジャケットの一方で、ヘムがふわふわと揺れるスカートやドレスが軽やかに女性らしさをアピールする。

 ごちゃごちゃと装飾を盛り込みすぎず、抑えた表現の中でパターンに集中して見せた。ぎりぎりのところでやり過ぎずに、サカヨリの強みを生かして伝えたいスタイルを作り上げた。そこに、初のショーに踏み込んだ決意を感じることができた。

(小笠原拓郎、写真=加茂ヒロユキ)



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