リュー、来春から「リューヤ・キムラ」 濃いデザイン

2018/02/07 04:27 更新


「リューヤ・キムラ」のメンズ春夏物

 大阪のデザイナーブランド「リュー」(木村竜也代表、電話06・6373・3369)は、18年春夏から新ブランド「リューヤ・キムラ」を打ち出した。05年にリューを立ち上げ、ブランドとして着実に成長してきたが、新ブランドはこれまでのデザイナーとしての経験を生かし、満を持して打ち出す。大阪中心に活動していたが、18年からは渋谷にオフィスを設け、東京での活動も増やす。(小畔能貴)

 リューヤ・キムラは、リューと同じくメンズ、レディスがある。既存の「リューよりも濃いデザイン性」を特徴にし、顔料プリントや製品染めなど、「2次、3次加工も積極的に活用する」。

 春夏物は、アジアとストリート、モダンの3要素をバランス良く盛り込んでオリジナリティーのある服を作った。メンズは上質でハリのある生地を使い、プリントや製品染めをしたチャイナジャケット(2万8500円)や、ウエストに配色の利いたひもを採用したハイウエストのバギーパンツ(2万6000円)などがある。

「リュー」の春夏コート。バックサテン地をたっぷりとり、シームレスで着やすく仕上げている

 レディスは、腕ぐりにリフレクターをプリントした長袖Tシャツ(1万3600円)、プリントと製品染めを組み合わせてチャイナドレスのように留めるロング丈ラップスカート(2万1000円)など。

 17年に開いたデビュー展では、とくにメンズの反応に手応えがあり、「パンチのきいたショップが興味を示してくれた」。18年春夏は既存ブランドの販売先に向けた提案が中心になったが、同秋冬から新規開拓も狙った動きを進めたい考えだ。

 リューは専門学校卒業後、ロシアや英国で経験を積んだ木村が05年に日本でスタート。上質なユーモアをコンセプトに、細部までこだわった物作りを重視。国内の機屋にオリジナル素材を依頼したり、国内工場と互いに顔の見える物作りを実現してきた。

 ジェンダーレスな提案も特徴で、メンズは20、30代が中心なのに対し、レディスは30~50代のファンがいる。女性には甘さのないマスキュリン感覚の服作りが支持されている。現在の販売先は国内外に30軒ある。

大阪の豊崎にあるアトリエ兼ショップ「コバチストア」

 08年には梅田周辺で直営店「コバチストア」を開き、店作りで必要性を感じて服飾雑貨「コバチ」も立ち上げている。直営店は移転を重ね、現在は豊崎でアトリエを兼ねた路面店を構えている。

 自身の名前を冠したリューヤ・キムラについては、「これまでデザイナーとして様々な経験を積んで成長した。最初にファーストラインを立ち上げるブランドもあるが、自分としては、このタイミングがベストだと感じている。培ったものを生かした提案を盛り込みたい」と話す。




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