7月のファッション小売り商況(速報値、既存店売上高)は、休日が前年に比べて2日減だったが、猛暑で盛夏物が活発に動いた。百貨店はラグジュアリーブランドなど高額品がインバウンドの押し上げで引き続き好調を維持した。専門店は盛夏物の販売が順調だった。セールが低調だった一方で、正価品が売り上げを大きく伸ばした。「色、サイズが揃った正価品を選ぶお客が多かった」(都内百貨店)という。
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百貨店 涼しさ感じる素材
婦人服は伊勢丹新宿本店が前年同月比17%増、阪急うめだ本店が10%増だった。ラグジュアリーやデザイナーブランドの衣料品、ハンドバッグ、宝飾品が大きく伸ばした。セールは売り上げ減となったが、正価品の大幅な伸びで補った。ブラウス、Tシャツなどカットソー、パンツといった盛夏物が売れた。涼しさを感じる素材、デザインが圧倒した。「セール、プロパーに関係なく、今欲しいものを購入している」(伊勢丹新宿本店)、「盛夏物の期中投入やスタイリングの打ち出しで正価販売が2割増だった」(阪急うめだ本店)とセールの縮小傾向がさらに広がった。