24年春新卒者を対象とした企業説明会などの受け付けが、大手就職サイトの採用ナビで3月1日から始まり、企業の採用活動と学生の就職活動が本格的にスタートする。ファッションビジネス(FB)業界では、コロナ下で採用を控えたり縮小していた企業も採用を再開。早期から個別に採用活動を始めた企業はまだ少ないものの、合同就職説明会に出展する企業は前年より増加。一方、全産業的な採用の活発化を背景に、学生の参加者は減少して売り手市場に転じ、内定辞退者の増加や採用活動の長期化が懸念されている。
(河邑陽子)
FB業界では経済活動が正常化してきた昨年後半から、コロナ禍で業界の将来性に不安を感じた人などの離職率が上昇。販売職中心に欠員が目立ち、経験者を募集しても集まらず、新卒や第2新卒の採用計画を増やす企業が多い。24年卒では大半の企業が採用を再開。2月ごろから合同就職イベントに参加し、学生との接点をつくる動きも目立つ。
オンラインは継続
日本アパレル・ファッション産業協会(JAFIC)は1月28日、今年もオンラインで「合同セミナー」を開いた。毎回、国内の遠方や海外からも志望度の高い学生が集まり、学生、企業とも満足度が高いためオンライン開催を継続。前年より2社多い15社が出展したが、学生の参加は160人とほぼ半減した。各社の個室で説明を行う合間に、無作為に全学生が別の部屋に移動する手法で偶然の出会いも提供して好評ながら、来年はリアル開催に戻すか検討中だ。