メンズのジェンダーフルイドなスタイルが目立っている。8月に開催された楽天ファッション・ウィーク東京24年春夏のショー会場では、スカート、シアーアイテム、ショート丈トップなどが多く見られた。
(坂入純平)
スカートとパンツをレイヤードした着こなしが新鮮だ。フレアパンツにミニ丈のスカートを重ねたり、スラックスに膝下丈のフリースのスカートを重ねたり、色や丈、素材の合わせ方で個性を出していた。
肌見せが多く、アイテムや着こなしも多様化している。ラメ感のあるトップや花柄の刺繍が入ったシースルートップ、胸元の開いたタンクトップ、ミドリフ丈のTシャツなどをよく見かけた。声をかけたセレクトショップ店員は、古着だという鮮やかな赤のメッシュパーカをタイトなタンクトップの上に羽織り、ビーニーやワークパンツと合わせることでストリートな雰囲気に。そのほかボクサーパンツくらいの丈のショートパンツや、素肌に直接ベストやジャケットなどを着ている人もいた。
ハイウエストのワイドパンツにショート丈トップを合わせたりタックインしたりするスタイリングも増えた。トップにはシアーアイテムやタイトめなTシャツ、タンクトップなど体のラインが出るものを合わせている。
「ジェンダーレスな服装を意識したわけではないです」との声をしばしば聞いた。肌見せやスカートなどが女性性を象徴するものではなく、メンズのスタイルやアイテムの一つとして捉えられているようだ。
今回撮影に応じてくれた人のほとんどは、一つのブランドで固めるのではなく、古着やデザイナーブランドの服を年代、メンズ・ウィメンズを問わず組み合わせていた。金銭面に限りのある若者は、何とかやりくりしながら工夫している。「メルカリ」などでデザイナーブランドを買い、古着屋で少し変わったデザインのアイテムを買うことが多いそう。
よく行く店として名前が挙がったのは、高円寺のヒガンや祐天寺のガバーなど。ヒガンは古着だけでなく「チャールズ・ジェフリー・ラバーボーイ」や今回のウィークに初参加した「EJシェヤン」などデザイナーブランドも扱う。ガバーは店内の内装をオーナーが自身で手掛けるなどこだわりのある店。自分たちの良いと思うものを明確に打ち出す個性的な古着屋がおしゃれな若者にとっては魅力的に映るようだ。
着用しているブランドは人気が集中しておらず、「コムデギャルソン」「ヨウジヤマモト」から「JWアンダーソン」「ルイ・ガブリエル・ヌイッチ」「シモーン・ロシャ」など国内外問わずさまざまな名前が挙がった。