24年秋冬にデビューするレディスウェア「QUITO」(キイト)は、デニムやミリタリーウェアなどの古着を生かし、コラージュするように造形したワードローブだ。手の動きを通して、女性らしいバランスを探り、優しさと強さを併せ持つデザインを提案する。
デザイナーの香村茉友は、多摩美術大学のテキスタイル専攻を卒業した後、イッセイミヤケで企画を担当した。直近では、大手セレクトショップでデッドストックを生かしたリメイク製品のプロジェクトに携わった。イベントを通じて「お客さんが手に取って喜んで買ってくれた原体験」がキイトを立ち上げるきっかけとなった。
一つひとつのピースをどう組み合わせるか、手の感覚を頼りに体に沿ったフォルムを丁寧に作り、パターンに落とし込む。ミリタリーウェアをつないだジャンパースカートは、異なる長さの前身頃を切り替えてフロントを組み立て、肩の傾斜に合わせて斜めに配置したピースを背中に流す。大胆さと、きちんとした印象を持ち合わせる感覚が新鮮だ。
メンズのGジャンを生かしたブルゾンは、大きめのポケットに対し、バストラインの造形とコンパクトな襟によって、きりりと引き締めた。中心価格は2万~3万円台。
今シーズンは、パッチワーク風のデニムを表現した織物を国内産地で作ってもらった。その生地と古着のデニムをつないだスペシャルピースも揃えている。