セレクトショップを運営するプレッシング(大阪市、西中秀介代表)が好調だ。5年前から自社EC「プレッシングウェブショップ」(PWS)を強化し、新客の獲得や実店舗への送客などの好影響も出てきている。毎年3億~5億円増のペースで売り上げを伸ばしており、今期(26年2月期)は23億円を見込んでいる。
同社は、99年ごろに大阪・アメリカ村に古着屋をオープンし、徐々に新品のセレクトブランドを増やしながら成長してきた。リアルでの販売が制限されていたコロナ禍を機に、昔から運営してきた自社ECを再強化し、売り上げ比率でオンラインが3割まで上がった。
PWSでは、自社ブランド「チカシツプラスハイ」「ディグユアオウングレイブ」「ローゼンクロイツ」「CS」のほか、仕入れブランドでは韓国の「クランク」「ノーマニュアル」「フレアアップ」や、ベトナムの「コージーワールドワイド」「ユニズ」などオンラインのみの扱いも含めて100以上のブランドが揃う。「ハイブランドに引けをとらないデザイン性を持ちながら、手に取りやすい価格帯の海外ブランド」を買い付けている。1万~2万円ほどの中間価格帯のアイテムが多く、毎シーズン約10ブランドを新規投入するのも特徴だ。
得意とするテイストは、Y2Kやグランジ、ギークシック、オピウム系(米レコードレーベル「オピウム」に在籍するアーティストらが着こなす黒を基調とした前衛的なストリートスタイル)など。ターゲット層は実店舗と同様で、10代後半~35歳前後の「人とかぶりたくない」「自分だけのスタイルを表現したい」男女としている。

西中代表は「実店舗では体験、オンラインでは利便性を提供することで、お客様との多様なタッチポイントを築いていきたい」と話す。今後は、売り上げ比率でオンラインを4割まで高めていく。実店舗も引き続き重視している。セレクトショップの「ドッグ大阪」「チカシツプラス」「XU」「ナードアウトXU」「nmtcプラス」で、全国に計15店ある。今後も都市部を中心に新規出店していきたい考えだ。
