伊プラダは、民間主体の宇宙開発を行う米企業アクシオム・スペースとともにNASA(米航空宇宙局)のミッション「アルテミス3」で使用する宇宙服のデザインを初公開した。伊ミラノで開催された国際宇宙会議インターナショナルアストロノーティカルコングレスで発表されたもので、アクシオム船外活動ユニット(AxEMU)で使用される。
2社が目指したのは、次世代の宇宙服デザインの向上。クリエイティビティーとエンジニアリングを融合する取り組みとして共同開発した。
プラダのデザイン・製品開発チームは、アクシオム・スペースのエンジニアと協力して、月面環境から宇宙飛行士を守ると同時に、将来の宇宙探査への意欲を視覚的に駆り立てるような素材を考えた。素材の性能を向上させながら、快適性もかなえた。展示では、宇宙服の独自開発技術を秘匿するために暗いカバー層が使われたが、実際の月面着用時は白い素材が使用される予定だ。熱を反射し、高温や月面の粉塵(ふんじん)から宇宙飛行士を保護する素材が使われる。
アクシオム・スペースは22年に2億2800万ドル相当となるアルテミス計画の契約を獲得して以来、宇宙服の開発・デザインをサポートする著名な専門家を探してきた。アクシオム・スペース船外活動担当のラッセル・ラルストン副社長は、「私たちは宇宙探査の新時代を切り開こうとしている。パートナーシップは宇宙の商業化に絶対欠かせないもの」と語った。