繊維メーカーのピエクレックス(滋賀県野洲市)は親会社の村田製作所の本社(京都府長岡京市)で、27年に横浜で開催予定の国際園芸博覧会「グリーンエキスポ2027」に向けた取り組みを発表した。同博覧会のスタッフ用ユニフォームの企画・デザインを「エンスーロ」のデザイナー、岡部健史氏が務めることも明らかにした。
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ピエクレックスは、資源循環の仕組みで連携する「チームピーファクツ」のメンバーとともにグリーンエキスポ2027で、会場運営プロジェクトのプラチナパートナーとして参画する。メンバーは発表済みのV&Aジャパン(大阪市)のほかにも複数社が加わる予定。同社のPLA(ポリ乳酸)繊維「ピエクレックス」を中心に植物由来の繊維を用いた素材がユニフォームに採用され、1万人以上のスタッフが着用する計画だ。
使用素材の生分解性を生かし、堆肥(たいひ)として利用する資源循環の仕組み「ピーファクツ」を会場で実証公開する。会場内には専用の堆肥場を複数箇所設置し、不用になった衣類や端材が生分解され、堆肥になる様子を来場者に見せる。会場で発生する食品残渣(ざんさ)なども混ぜて堆肥を作る。堆肥で植物や農作物などの栽培も行う。
同博覧会協会の河村正人事務総長は、「リユースやリサイクルの取り組みの前例はあるが、『衣服が植物を育てる土になる』実証を博覧会で実施するのはおそらく初めて」と期待を込めた。
ユニフォームの回収率や再資源化率といったデータ測定も行い、会期を通じた実証結果を「“横浜モデル”として全国の自治体や、世界への横展開につなげたい」(玉倉大次ピエクレックス社長)考え。
グリーンエキスポ2027は3~9月に開催される。参加者は1500万人、有料来場者数は1000万人以上を目標としている。
